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by SAGUS
開発ツールと作り方

Barclays、開発者の半数に「Claude Code」 古いシステムの刷新を急ぐ

英銀大手Barclaysは2026年10月1日、米Anthropicとの提携を広げ、「Claude Code」を年内に開発者の半数、2027年に技術者の過半へ広げる計画を発表した。社内の検索とメールの仕分けでは、すでにClaudeが動いている。

半分だけ新しい壁に積み替えられていく、小さな古い石造りの建物と小さなクレーン

英銀大手Barclaysは2026年10月1日、米Anthropicとの提携を広げると発表した。AIにコードを書かせる「Claude Code」を、年内に開発者の半数、2027年にはソフトウェア技術者の過半に広げる計画だ。狙いは開発の高速化と古いシステムの刷新にある。1万6000人超の行員が使う社内の検索と、1日約12万通のメールの仕分けは、すでにClaudeで動いている。規制の厳しい大手銀行が、社内の検索や仕分けに続き、開発の現場にAIを広げる目標を数字で示した。

年内に開発者の半数へ広げる

Anthropicが公開したBarclaysのClaude導入拡大の発表によると、Barclaysは銀行全体でClaudeの利用を広げる。狙いはソフトウェア開発の高速化、古いシステムの刷新、業務の効率化だ。中心には、開発者が指示してAIにコードを書かせる「Claude Code」を据える。利用者は2026年末までに開発者の50%に達し、2027年にはソフトウェア技術者の過半に広がる見込みだという。

グループ共同COOのCraig Bright氏は「ソフトウェア開発とサイバーセキュリティは、能力を増すAIによって作り変えられつつある」と述べた。同氏によると、同行はAIを、技術を作り、試し、守り、運用する工程そのものに組み込む方向に進んでいる。Claudeは古い基盤の刷新とソフトウェアの品質向上に使い、技術者を最も複雑な課題に振り向けるという。

Anthropicの最高商務責任者Paul Smith氏は、今回の提携を「英国での大きな節目」と語った。同氏は、Barclaysが強いセキュリティと監督のもとでClaudeを展開していると説明した。2027年までに、Claudeは「Barclaysの技術者の大半の手に渡る」とも述べている。

顧客対応の行員が答えを早く探せる

発表は、すでに動いている使い道を2つ挙げた。1つ目は、英国の個人向け部門Barclays UKの行員が使う社内の検索「Colleague Knowledge Assistant」だ。2000万人を超える英国の個人顧客に応対する行員が、必要な情報と答えを早く見つけるために使っている。

仕組みは、社内の資料を検索し、その結果をもとにAIが回答を組み立てる「RAG(検索拡張生成)」で、回答を作るAIにClaudeを使う。2025年から稼働し、これまでに1万6000人超の行員が使い、検索は100万回を超えた。発表は、情報にたどり着くまでが速くなり、顧客への応対も早くなったと説明している。

1日12万通のメールを仕分ける

2つ目は、市場部門(Global Markets)での顧客の問い合わせ処理だ。担当チームは、届いたメールをClaudeで分類し、足りない情報を補い、最適な処理の経路を決めている。あわせて優先順位をつけ、業務担当の行員が動けるだけの情報がそろっているかも確かめる。

処理量は1日約12万通にのぼる。発表によると、手作業の処理が減り、行員が関係する情報を見つけて動くまでが効率化した。

発表は、大きく複雑で規制の厳しい組織にAIを広げるには、能力の高い技術と規律ある統制の両方が要ると書く。同行はAIの使い道ごとに、強固な統制、セキュリティ管理、人による監督を適用しているという。ただし発表が示した数字は利用人数と処理件数で、作業時間の短縮幅や費用の削減額は含まれていない。

社員10万人にはCopilotを配る

Barclaysが社員に広く配るAIは、別の会社のものだ。米Microsoftの英国法人は2025年6月9日、Barclaysへの「Microsoft 365 Copilot」展開の発表を出した。同行は1万5000人での試行を経て、世界の社員10万人にCopilotを展開する。

同行はCopilotを自社の社員向けの業務ツールに組み込む。出張の手配、社内規程に沿っているかの確認、人事の質問への回答を社員が自分で済ませる「Colleague AI Agent」も含む。所属や勤務地に合わせて社内の情報を探す検索も備える。

つまり同行では、社員10万人の日常の業務はCopilot、開発の現場と個別の業務はClaudeと、用途によって提供元の異なるAIが並んで動いている。グループ共同COOのAnne Marie Darling氏は、Claudeの拡大を「AIを採り入れる以上に、仕事の進め方を変えることだ」と位置づけた。定型の作業にかける時間を減らし、行員の専門性をより複雑な問題に向けるという。

Barclaysは今回、社内の検索とメールの仕分けに続き、「Claude Code」を年内に開発者の半数、2027年には技術者の過半に広げる計画を掲げた。規制の厳しい大手銀行が、開発の現場にAIを広げる目標を数字で示した。

編集部の見方

編集部は、この発表の数字を、何を測ったものかで読むべきだと見る。1万6000人、100万回、1日約12万通は、いずれも利用の規模を示す数字で、作業時間や費用がどれだけ減ったかは示していない。開発者の半数という目標も、使う人の数の目標だ。一方で、届いたメールを分類し、足りない情報を補ってから人に渡す仕組みは、定常業務をAIに任せる形として効果を測りやすい。読者が自社で導入を広げる時は、利用者数と並べて、処理時間や差し戻しの件数をどう測るかを先に決めるとよい。Barclaysが今後、効果の数字を開示するかはまだ分からない。

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