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by SAGUS
開発ツールと作り方

Cursor「Rollouts」が回帰の修正をエージェントに 最後の判断は人に残す

米Cursorは、本番の不具合を見張る「Rollouts」が回帰を見つけると原因のPRを特定してissueを開き、ワンクリックでクラウドのエージェントに修正を任せられると紹介した。マージと切り戻しは人が決める設計で、無償の利用クレジットは10月3日までだった。

小さなベルトコンベアで運ばれてきた直し済みの歯車に、判子を持った手が近づいている。

米Cursorは10月3日(日本時間)、本番の不具合を見張る機能「Rollouts」の修正の流れをXで紹介した。変更が原因で既存の機能が壊れる「回帰」を見つけると、原因のプルリクエスト(PR)を特定してissueを開く。開発者はワンクリックで、クラウドで動くエージェントに修正を任せられる。

つまり、不具合の発見から修正の着手までが1つの流れになり、マージと切り戻しの判断は人に残る。発表時に付けた無償の利用クレジットは10月3日までで、その後の単価は公表されていない。

変更ごとに本番の様子を見張る

Cursorは9月23日(米国時間)、ブログ記事「Bots for the last mile」でRolloutsを発表した。PRの脆弱性を調べる「Security Review」も同時に出し、どちらもTeamsとEnterpriseの両プランで使える。Rolloutsは、PRが開かれた時点で差分と、変更が触れるシステムを読み、監視の計画をPRに書き込む。計画には想定されるリスク、期待される効果、見るべき指標、計測が足りない箇所が並び、チームはPRのコメントで書き直せる。

Rolloutsの説明文書によると、利用者は見張るリポジトリを選び、本番への反映の開始と終了をRolloutsに知らせる設定を入れる。対象のリポジトリから出るPRには1件ずつ見張りが付き、そのPRの作成者にひも付く。Rolloutsは反映の直後に加え、20分後、1時間後、1日後、3日後にも、反映前のログや指標、トレースと比べて状態を確かめる。監視ツールは少なくとも1つつなぐ必要があり、ブログはDatadog、Grafana、Honeycombを例に挙げた。

Rolloutsを発表した更新履歴によると、判定は環境ごとに「健全と確認」「回帰を検出」「判断できない」のいずれかで出る。検証用の環境で問題がなくても、本番では回帰と判定されることがある。ブログで同社は、1つの地域の1つのエンドポイントだけに起きた回帰も、全体の警報が鳴る前に捉えると説明した。マージ前に計測の不足を指摘する理由については、「悪い変更が見逃される最も多い理由」だからだと述べている。

回帰の原因から修正まで1画面で進む

10月3日のCursorのXへの投稿は、この監視の先にある修正の流れを示した。説明文書によると、Rolloutsは回帰を見つけると、原因と疑う変更を名指しし、issueを開いて作成者に知らせる。issueのページで「Fix issue」を選ぶとクラウドのエージェントが起動し、同じページの画面で修正に取りかかる。修正を始めた後はボタンが「View fix」に変わり、そのエージェントを開き直せる。

回帰が起きなくても、変更が狙いどおりに動かない時は、Rolloutsは同じように変更を名指ししてissueを開く。これに当たるのは、新しいコードが実行されたのに効果が出ない時、エラーを出す時、振る舞いが誤っている時の3つだ。修正が要らないと判断した利用者は、理由を添えてissueを閉じる。つまり、監視の結果と修正の作業が、同じissueの上でつながる。

マージと切り戻しは人が決める

説明文書は、Rolloutsが変更のマージ、取り消し、切り戻しを自分ではしないと明記している。発表時のブログは、回帰への対応として、作成者への通知、段階的な公開の一時停止、変更を取り消すPRの作成を挙げた。だが、Rollouts自身は変更を取り込まないため、最後の判断は人に残る。

今のRolloutsは、回帰を見つけて知らせ、直す手段を用意するところまでを受け持つ。ブログによると、Cursorは今後、機能フラグとの連携と、リリースの予定や反映を止める期間を踏まえる機能を加える。

無償のクレジットは10月3日まで

更新履歴によると、Cursorは発表から10日間、実際の変更で試せるよう利用クレジットを付けた。量はTeamsで約50件、Enterpriseで約500件の変更分だ。10月3日の投稿は、このクレジットが同日までだと改めて告知した。Rolloutsは、Cursorの管理画面にある「automations」のタブから有効にする。

Cursorの料金ページは、Teamsプランを1人あたり月40ドル、Enterpriseを個別見積もりとしている。だが、Rolloutsの利用単価は、料金ページにも説明文書にも載っていない。期限が過ぎた後の課金の仕組みも、9月23日の発表と10月3日の投稿には書かれていない。

Rolloutsは、回帰の発見から修正の着手までを1つの流れにまとめた。それでも、変更を取り込むか、切り戻すかの判断は人に残している。

編集部の見方

編集部は、Rolloutsの肝は修正の自動化より、人が確かめる場面を本番の監視の流れに組み込んだ点にあると見る。回帰の発見と原因のPRの特定、修正の着手まではツールが進めるが、マージと切り戻しは人が決める。導入を考えるチームは、エージェントが出した修正を誰がどの基準で確かめるかを、先に決めておくとよい。費用の面では、無償のクレジットが10月3日で終わり、その後の利用単価は公表されていない。単価が分かるまでは、見張るリポジトリを絞って試すのが堅実だ。修正の質を測った数字や課金の条件が示されれば、この見方は変わり得る。

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